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 2003 年 09月 11日 更新

緑内障治療には、薬物療法・レーザー療法・手術療法があります。
まず、眼圧下降の目的で点眼などの薬物療法から開始し、眼圧のコントロールを行いますが、眼圧下降が不十分な場合は、 レーザー治療や手術療法に移行します。
眼圧の正常値は21mmHg以下と言われていましたが、最近では、眼圧が低くても視神経に障害を起こし、 視野が狭くなってくる正常眼圧緑内障が多いことがわかってきました。
そのため、眼圧については、目標眼圧という概念が導入され、緑内障の方それぞれに視神経障害を起こさない眼圧を決めて 治療するという考え方ができてきました。
緑内障の手術は、房水の流れを妨げている部分を治療し、房水を流れやすくすることで目標眼圧を保ちます。
この手術により、視神経の圧迫を軽減し、現状の視野・視力を維持することを目的とします。

現在、当院で主に行っている緑内障手術には以下の3つがあります。

(1)線維柱帯切除術
(2)非穿孔性線維柱帯切除術
(3)線維柱帯切開術

緑内障手術は眼圧や視神経などの状態に合わせて、個々に応じた術式が選択されます。
術後は、眼圧が安定するまで、定期的に通院していただくことになります。

レーザー虹彩切開術(LI)
急性緑内障や将来瞳孔ブロックを起こす可能性がある狭隅角眼に対して行うレーザー治療法です。
レーザー光線で虹彩(茶目)の端に小さな穴をあけ、房水が流れるバイパスをつくります。
レーザー虹彩切開術(LI)
【レーザー前】 【レーザー後】

レーザー線維柱帯形成術(LTP)
原発開放隅角緑内障・嚢性緑内障・色素性緑内障などに対して行う治療法です。
房水の出口である線維柱帯にアルゴンレーザーを照射し、その熱凝固により房水流出抵抗を減少させ眼圧下降を図る術式です。
レーザー線維柱帯形成術(LTP)

線維柱帯切除術
線維柱帯切除術は、房水の流れの悪い線維柱帯を切除し、房水の流れをよくする手術です。
手術方法は、まず上方の結膜を切開し、4mm程度の四角形の半層強膜弁を作成します。
マイトマイシンCという線維芽細胞阻害薬を強膜上に塗布し、数分後に洗浄します。
強膜弁の下で、房水の水を強膜の下に導くため、線維柱帯と呼ばれる部分を切除します。
この方法で、前房との間に交通(バイパス)ができます。
その後、強膜弁を戻して結膜を縫合し、手術は終了です。
手術時間は、30〜60分です。手術は局所麻酔で行い、ほとんど痛みはありません。
線維柱帯切除術

非穿孔性線維柱帯切除術
非穿孔性線維柱帯切除術 この手術方法は、従来から行われていた線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)を改良した方法で、 線維柱帯の一部を残すことにより、過剰な濾過を防止する方法です。
点眼麻酔をした後、眼球の後方へ麻酔薬を注入するテノン嚢下麻酔を行います。 この麻酔により、手術中の痛みはほとんど感じません。
手術時間は30〜60分程度です。
(1) 結膜を切開し、3〜4mmくらいのコの字形の2重弁を作成します。
(2) 創傷治癒を遅らせて強膜の組織癒着を防止するため、マイトマイシンC(線維芽細胞増殖阻害薬)を塗布し、 3〜5分後に生食で洗浄します。
(3) 内側弁を角膜側に剥離していき、シュレム管に達したらシュレム管の内壁の内皮網を除去していきます。 内皮網を除去することにより、房水流出量が増え、眼圧が下降します。
(4) 内側弁を切除することにより、濾過胞が形成され、房水が流れるようになります。
(5) フラップ(弁)を戻し強膜・結膜を縫合したら、手術は終了です。

線維柱帯切開術
線維柱帯切開術 手術方法は、シュレム管にトラベクロトームという細い針金状の器具を挿入し、線維柱帯を切開します。
点眼麻酔をした後、眼球の後方へ麻酔薬を注入するテノン嚢下麻酔を行います。 この麻酔により、手術中の痛みはほとんど感じません。
手術時間は30〜60分程度です。
(1) 結膜を切開し、強膜弁(2重弁)を作成します。
(2) シュレム管の外壁を注意深く切開し、トラベクロトームという細い針金状器の器具をシュレム管に挿入していきます。
(3) 左右2本のトラベクロトーム挿入後、角膜中央に向かって回転させることにより、線維柱帯を切開します。
(4) 内側弁を切除します。
(5) 強膜・結膜を縫合して手術は終了です。